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2015 9月 映画生活MEMO

特別に暑かったと思わせるような日々が過ぎ、急に秋がやって来た感じ・・

一年のうち、綿シャツを羽織るだけで気持ちよく外出できるこの季節が 私はすきです。

夏の 生きてること自体を 頑張らなくちゃ・・と自分に言い聞かせるような。
誰かにはっぱをかけられてるような余裕のない感じとは違って、 それ以外の余分なことに
五感を配れる・・そんな季節です。

自分を追い込んで、生きてることを実感する人もいるのだけれど・・

私の場合、それ以外の細かな事を記憶に留めて 生かされているな・・と実感します。

人はそれを他力本願。という。(笑)

さて、今月は自分でも心躍る 静と動二つの面白い作品に出会いました。

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おみおくりの作法   2013伊英  監督ウベルト・バゾリーニ   90点

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book公務員のジョン・メイは、ロンドン南部ケニントン地区で亡くなった身寄りのない人々の葬儀を執り行う仕事をしている。いくらでも事務 的に処理できる仕事だが、律儀な彼は常に死者に敬意を持って接し、亡くなった人々の身内を捜すなど力を尽くしてい た。 糸口が全て途切れ たときに初めて葬儀 を手配し、礼を尽くして彼らを見送ってきたが……。                    

cakeラ ンダムに映画を観ていると いい、悪いという評価では表せない、心が勝手に震えてしまう作品というのに出会う。だから止められない。生きていて良かったと さえ思える。(笑)本作はそんな作品。主人公であるジョン・メイは几帳面に日々暮らしている。 仕事は 孤独にこの世を去った人の葬儀、身内との取次ぎな どである。 仕事も暮らし同様几帳面。何より、故人への敬意をひしひしと感じているのが分かる。彼自身、家族を持たないが それを不幸と思ったことはない であろう・・そんな彼の最後の仕事・・いつも以上に故人と深く関わってゆく。故人を取り巻く現世に生きている人々、ひとり一人の中に しっかりと生き続け ている故人・・本当に胸が熱くなる。少しだけ色づきはじめかのようなメイの時間・・それもあっけなく終わりを遂げるのである。 ああ、なんという衝撃・・ そしてラスト・・誰もがメイと同じ静かな人生を歩んでいるはずである。

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悼む人 2015邦  監督 堤 幸彦     70点

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book週刊誌記者・蒔野抗太郎は、死者を「悼む」ために全国を旅しているという青年・坂築静人と出会う。蒔野は残忍な殺人や男女の愛憎がらみの記事を得意とし、 日々そうした情報に触れていることから、人の善意などすでに信じることができずにいた。静人の「悼む」という行為も偽善ではないかと猜疑心を抱き、化けの 皮をはいでやろうと思った蒔野は、静人の身辺を調べ始めるが……。

clover おみおくりの作法・・と同じ、よく知らないであろう人の死を送る人の話である。「ボクはあなたが生きていたことを忘れません。」と命を落とした現場におもむく 青年・・まずこれが随分薄っぺらい言葉として聞こえてしまった。 不意に命を落としたのだから現世にそれなりの思いは残っているかもしれない。でも見ず知 らずの人に覚えていてほしい・・とは思わない。何か時間の長さでもなく、大切な人、何かを共有した人、その人の中にこそ残っていればありがたい。それよ り、何より・・自分の足元を見直すべきだ。 主人公の母は 半分くらいあちらの世界に身をおいているせいか・・立派。でも死はもっと個人的なものであるべ きだと思う。

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セッション  2014米  監督デミアン・チャゼル  90点

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book名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名 をはせるフレッチャーだった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導 に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。        

tulipい やあ・・面白かった!秀作です!単純に最初から最後まで身を乗り出して観てしまった。ストーリーは、シンプルだし、仕掛け・・みたいなものは皆無・・なの に何故飽きないのか・・ところどころ 「うっそ!」って良い意味ではぐらかされるのである。ほぼ、2人の心理戦・・こういうのが映画ってもんです。無難し いことはいらない!ってもんです。      

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バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ軌跡)

2014米 監督アレハンドロ・G・イニャリト   80点

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bookかつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優リーガン・トムソンは、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナーの 才能がリーガンを追い込む。さらに娘サムとの不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。     

banana冒 頭ワンカットで永遠と続く映像に少し船酔いのような感覚に陥る。(笑)米の医療TVドラマを思い出す。これって見る側も その場所にいるような錯覚で 臨 場感があるのだ。でも私が面白い!と感じたのは やっぱりストーリー。 ラスト、娘が 空で自由に飛び回る父の姿を目で追う・・これがなかなか良いではな いか・・途中シニカルでブラックで、映画界にも演劇界にも物申すような流れで・・どんな悲惨なラストが待つのかと想像するも・・ファンタジーですよ。難 解、というレビューも多い中、私はこの取り留めない、でもえぐみのある本作、楽しみました。
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繕い裁つ人  2015邦  監督 三島有紀子   70点

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book神戸の街を見渡す坂の上にある仕立て屋「南洋裁店」。初代の祖母から店を継いだ2代目店主・市江が手がけるオーダーメイドの洋服は大人気だが、昔ながらの 職人スタイルを貫く手作りのため、量産はできない。市江はデパートからのブランド化の依頼にも興味を示さず、祖母が常連のために作った服を直し、たまに新 しい服を作るという日々に満足していたが……。

cake私 は所作が美しい物語は そもそも好みである。日々を丁寧に潔さすら感じるほどキッパリとした暮らしぶり・・きっとこの作品は・・と期待したのである。 し かし、本作は職人のあり方・・とでも言うのか、もっと内面的な処が主軸になっているものの ポイントは見る側にゆだねる。という作りであった。 布を切る はさみの音・・糸を紡ぐミシンの音・・生地に合せてボタンを選ぶ楽しい時間・・洋裁の醍醐味みたいな時間が圧倒的に少なかった。 私の祖父母は富山で洋裁 店を営んでいた。あの布の匂い・・それを感じる作品に出会いたい・・





朝夕、肌寒い日もふえました。

この季節は 少し早起きをすると何だか得した気持ちになります。

コーヒー何ぞを入れ、 日の出の空を見てみて下さい。

騙されたと思って。(笑)

 

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コメント

森おばさんさま、おはようございます。
関西は朝夕がめっきり涼しくなり、服装も秋めいてまいりました。お元気そうでなりよりです。
今月の「おみおくりの作法」「セッション」は僕も高評価している作品でうれしいです。特に前者は今のところ本年度のベストです。
あまり語られることのない作品ですのでとてもうれしいです。
お体にはお気をつけられて、お仕事頑張って下さい。
それでは、また。
セント

投稿: セント | 2015年10月 8日 (木) 10時19分

セント様
ご無沙汰しております。
お元気そうな様子、大変嬉しくブログの方も度々お邪魔しております。
今回、「おみおくりの作法」「セッション」ですがセントさんのレヴューを読んで楽しみにしていました。セントさんともなれば映画そのもの 作りカメラワークやカット割りなど沢山の知識をお持ちだし、演劇そのもの 脚本自体の出来など色んな角度から作品を観られているはず・・それでもやはり、事のつまり面白いか面白くないかこれに尽きるのだなあ・・などと感慨深いです。(笑)また、そんな感性をお持ちのセントさんをお慕いしております。
「おみおくり・・」に関しては今の自分にフィットしたテーマだったからか、死について近いものとして捕らえる事ができるからか・・淡々と非常に静かな気持ちで鑑賞していましたが メイの人生が少し色づき始めた時から・・ラストまで涙なしでは観られませんでした。 そう、人生って思い通りにはいかないものですよね。。(笑)
フィールド・オブ・・・私も蘇りましたよ。
「セッション」は ぐいぐい引き込まれ、まず事故の場面でやられました。まさに不意をつかれたので、、、予想外、って面白い。私にとっては非常に新しい映画でした。 考えれば シンプル、そのものなんですけどね。

長くなりました。 福島もすっかり秋です。
私の好きな季節です。
セントさんはいかがですか?映画の好みが似ているので勝手にそうかな?なんて考えます。

投稿: 森おばさん | 2015年10月11日 (日) 08時35分

「おみおくり・・」、私も絶対に見たいと思ってます!
夏に借りに行った際には、「扱いがありません」との
ツレないお言葉を、店員さんより賜りました。(哀)
近々、再チャレンジしますよ!
「セッション」も、そそられますねぇ~。

相変わらず、お忙しい中でも心の栄養を忘れず、しかも
クリエイティブな日々をお過ごしのようで、尊敬します。
美的感覚(と、食欲)が刺激される季節「秋」。
ガッツリ楽しんで、生きる力を充電しましょう!

投稿: みなあん | 2015年10月12日 (月) 02時17分

みなあん様
お姉さま・・レス遅くなり大変申し訳ありません。
みなあんお姉さまからコメントいただき、本当に嬉しく思います。お元気そうで良かった!
どんどん、忙しくなるであろう時期ですのでお体には気をつけて下さいね。
じっくり、お返事しよう!と思ううちに時間ばかりがたってしまいました。
丁度、更年期も中盤なのか、ここのところ、動悸を感じ、珍しく病院で血液検査をしたり・・
自律神経を整える薬・・という(笑)中途半端な薬を処方していただいたり、通年、人手不足の飲食店で、とにかく忙しくしてました。さすがに疲れが溜まりました。。

「おみおくり・・」本当に良かったです!
おそらく、今なら店頭にも並んでいる事と思います。全編通して、淡々としたリズムの作品ですが
自分なりに誠実により良く生きる。ということを考えさせられます。
もしかしたら、世間から見たらさみしい人・・と思われていたかもしれない主人公ですが ラストは 誇らしく 温かい気持ちになります。
本当にオススメです。
「セッション」もなかなかです! エゴとエゴのぶつかり合いは普通は疲労するものですが、本作は非常にシンプルで気持ちよいものでしたよ。
意外性。。というか私には 展開を予測する事が出来なかった・・スカッとします。ほんと。(笑)
いい季節になりましたね。
美味しいものも目に付きます。
そして、そして、またまた スケートシーズンに突入ですね!
楽しみです。すっかり私達の王子は天の人(まあ、初めからそうなんですが 笑)となり久しいですが、陰陽師の完成形も期待ですねー!
大ちゃんがいないのが寂しくはありますが、彼も楽しくやっているみたいですし・・
新しい若い選手の発掘も待ちどうしいです。(笑)

また、ぜひぜひ懲りずに 寄ってくださいませ。

投稿: 森おばさん | 2015年10月24日 (土) 01時58分

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