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2014 4月 映画生活MEMO

毎年、 年度始めの四月は 何かと忙しい月である。

授業参観に始まり、修学旅行、PTA総会・ 役員選出に・・・家庭訪問・・

所々 欠けてはいるものの これが、小中高と3セット。(笑)

今年中学生になった双子は何故か揃って卓球部に入り、交代で送迎し、 毎 土日は練習試合という盛りだくさんの日々である。

cherryblossom 桜・・ゆっくり観る間もなく散ってしまいました。

 

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凶悪    2013邦      監督  白石和彌                    80点

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book取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そ のすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世 に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。

happy01思えば 役者が本業ではない2人が 全編渡り合って出来た作品である。記者である山田孝之の 能面のような演技がこのところ鼻に付く。 ドラマ「白夜光」の彼が今も印象深い私である。
で、本作 何人もの人を殺し モノのように遺体を始末する どこをを見ても凶悪極まりない2人なのだが 動機は金のためという単純明快なものであり惨忍な殺害も 少しコントのようであり 須藤にいたっては義理堅い男だったりもする。認知の母と一日中向き合い追い詰められてゆく藤井の妻の告白も悪ではあるが 家族から逃げて仕事にのめり込んでゆく藤井自身が私にとっては一番の悪に思えた。
ゴシップを追う高揚感、そしてそれを面白おかしく見てしまう私の中にも凶悪は ふつふつと生きている。

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危険なプロット    2012仏   監督 フランソワ・オゾン   80点

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book高校の国語教師ジェルマンは、クロードという生徒が書いた同級生とその家族を皮肉った文章に心を奪 われる。その秘めた文才と人間観察能力の高さに感嘆したジェルマンは、彼に小説の書き方を指南する。クロードの人間観察は次第に過激さを増すように。そして、その果てにジェルマンを思わぬ事態に引きずり込んでいく。

happy01オ ゾンの作品の中では、非常にに親切で スピーディーなエンタメ的作品であったように思う。

ジェルマンは平穏な生活をおくりながらもはなから満ち足りてはい ないと想像する。だから ラストの落ちぶれた彼は どこかホッとしているように私には見えた。充足感というのはじつに個人的なもので 私自身何か心配事を 抱えた時 意外な事で山を越えたり、またこんな事だったのか・・と驚いたりする。

クロード・・美しいですね。(笑)文章のもつ力は想像を掻き立て たま らなく未知の世界へ誘うわけだ。そのテーマがとても下世話なものなのがまた良い。 続く・・・(笑)

 

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あの頃、君を追いかけた    2011台湾  監督 ギデンズ・コー   80点

 

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book男子高校生コートンは、悪友たちとつるんでくだらないイタズラで授業を妨害しては担任を困らせていた。そこで担任教師は、優等生の女子生徒シェンを監視役 としてコートンの後ろの席に座らせることに。コートンは口うるさいシェンをわずらわしく感じながらも、次第に彼女にひかれていく。 

happy02比 較するのはどうかと思うが・・「桐島・・・」には青春の光と影 主に影が描かれ本作には主に光が描かれているように思う。

優等生美女一人に 男子数人。と いう設定からして男子好み間違いない。(笑)お互いに好意を持っていながら すれ違って上手くいかない2人。これは青春の王道だし・・下ネタが盛り沢山な のは 監督の若さなのか男子好み。(笑)

何より ラストの結婚式のキスシーンが逸品!・・「そうだったんだよな。そうだったんだよな。」と彼に同化し 切 なくなる。いや、この痛みや心残りこそが青春なのだ。

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四十九日のレシピ   2013邦   監督 タナダユキ           80点

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book 妻の乙美を亡くして生きる気力を失っていた良平のもとに、夫の不倫で結婚生活が破たんし、離婚を決意した娘の百合子が戻ってくる。そして、そんな2人の前 に、派手な服を着た不思議な少女イモが現れる。イモは、乙美から頼まれていた四十九日までの家事を引き受けにやってきたと言い、乙美が残したというレシピ の存在を伝える。

wink世 間一般の中に生きている悪意に似た常識を タナダ監督はいつも 詰まんで作品にする。 

立場を変えてみれば 極悪人に思える人間も「悪い人じゃないんだけ どねー」となる。

登場人物は互いに影響され 痛みを分け合ってゆく。 こんなふうに偏見がなかったら人間ってもっと理想的にいられるのではないだろう か・・実際は結局 相いれない事の方が多いように思う。その方が面倒が無いからである。 

まったく平行線の人生があったとしてそれはそれでどちらも実のあ るものであり困難なものである。 それだけは忘れないでいようと思う。  

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悪の法則   2013米  監督 リドリー・スコット            70点

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book メキシコ国境付近の町で弁護士をしている通称カウンセラーは、恋人ローラとの結婚も決まり人生の絶頂期 にあった。彼は実業家のライナーと手を組み、裏社会のブローカー、ウェストリーも交えて新ビジネスに着手す る。その仕事は巨額の利益を生むはずが……。

coldsweats01うー ん。 キャストの豪華さと その方たちが 惜しげもなく殺されてゆく事が煌びやかといえばそうなのかなあ?

ストーリー的にも面白みは感じられなかったし  サスペンス要素も今ひとつ。思わぬ落とし穴から最悪な方向へ・・。自分を大きく過信した男のポカ、詰めの甘さが招く結末は想定内。

面白みといえば登場人物 の皆が哲学的であり台詞が魅力的である事。一番頑張ったのはチーターのようなキャメロンですかね。(笑)

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そして父になる   2013邦  監督 是枝 裕和          90点

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book: 申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多。セレブ人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁を重視し 少しずつ子供たちを入れ替える決断をするが・・・

happy01是 枝作品は昔から大好き。 評価の高い本作は より世界を見据えた題材にて(家族) 1カット、1カット分かりやすく 説明も多めに盛り込まれていた。

静 止画ひとコマ  表情一つで充分に切なく 監督のおまけ的な演出はあまり必要なかったけれど(人工林のくだり、継母のくだり) な にせ世界ですから・・(笑)腕がますます上がっております。

冒頭から 否応なしに 母目線で見てしまった。同時に 父親ってのは こうも不安定なのか・・ と 気の毒に思う。母親同士の会話(看護士に悪態をつく2人)や父親同士の会話(父親も変えの効かない仕事だ。と言い切る斉木父)もなかなか唸るものがあ る。ラストは二つの説があるようだけど 私は一応、血縁の子を育てるが育ての子も変わらずに慈しんでゆく覚悟をする、派です。  

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ゼロ・グラビティ   2013米  監督アルフォンソ・キュアロン      90点

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book地表から600キロメートルも離れた宇宙で、ミッションを遂行していたメディカルエンジニアのライアン・ストーン博士とベテラン宇 宙飛行士マット。スペースシャトルが大破するという想定外の事故が発生し、二人は一本のロープでつながれ たまま漆黒の無重力空間へと放り出される。地球に戻る交通手段であったスペースシャトルを失い、残された酸素も2時間分しかない絶望的な状況で、彼らは懸 命に生還する方法を探っていく。  

happy01い やア。凄かった。こんな映画観たことない。やられました。

ストーリーは、いたってシンプル・・映像ばかりが話題になっているけれどそれはもちろん。 人に とって最も大切な意志のようなものがきちんと打たれているのである。

どんなに孤独であろうとも常に前を向いて生きる事の尊さ、自分を犠牲にして誰かを助け る事の尊さ、亡くした大切な命を思い続ける尊さ、宇宙の映像の美しさ以上にそのひとつひとつが輝くものでありました。

宇宙に一人取り残され どんどん小さ くなってゆくマットを見ているだけで しょっぱなから号泣の私でしたが(私はこの時点で死んでるでしょう・・)ストーンは どんなに過酷な状況であっても 泣きませ ん。

娘を亡くした時にこの世の全ての悲しみを知ってしまったのかもしれない。悲しいけどそれがとても素晴らしかった。映画の無限の可能性を観た様な気持ち である。

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ムード・インディゴ  うたかたの恋     監督ミシェル・ゴンドリー    80点

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book あり気ままに生きていたコランは、純粋なクロエと付き合うことに。その後、友 人たちに見守られながら結婚した二人は幸福に満ちあふれた生活を送っていたが、ある日クロエが肺にスイレンが咲くという奇病に侵されてしまう。ばく大な治 療費を稼ぐために仕事をし始めたコランの人生は徐々に狂い出し、クロエも日増しに弱っていき……。

happy01「人生で大切なのは綺麗な女の子との恋愛と、デューク・エリントン の 音楽だけ。あとは消えてしまえばいい、醜いから」。

粋人だったボリス・ビアンが序文にそう書いた小説。だとしたらゴンドリーの映像はドンピシャでしょう。  

実際、この作りこんだ映像は人生に一度あるかないかの美しき恋愛を描くには やり過ぎって事もないし・・そしてこの上ないバットエンドだからこそなお光 るのです。

逆にいえば何もかもなくしたコランだけれど 光り輝く日々をほんの一瞬でも手のひらにすくえた事は 物質的に恵まれた日々よりも幸福って事。モ ノクロームの中にも 誰もがあの光を忘れる事はなかったはず。好きです。ゴンドリー。(笑)

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calling      2012邦    監督中川 龍太郎      80点

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book 清掃員の夫と笑うことを忘れた妻は、夫の働きでしのいでいた。画家への夢や妻と離れて送る新しい生活を送る予感を、夫は思い描かないわけではなかった。しかし、それでも妻への愛は変わることはなく、妻の顔に再び笑顔が戻る日が来ることを信じていて……。 

happy01平 成生まれの監督らしい。

冒頭は若い監督によくあるショッキングな画面が目立ったので 先読みをしそうになった。しかし、どうしてどうして中盤からラストに 向けてはとても落ち着いてゆったりと、ワンカットでぐぐっと気持ちを持っていかれた。大切な人が笑ってくれるだけで幸せが溢れる感覚・・良いじゃないですか!

素人くさいキャストは この長さが限界かな?とは思うが 主役の夫役 の青年は今後楽しみな俳優である。思いがけず良い映画だった。  

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好きなバンドの音がそうであるように 一監督のデビュー作品はどれも鮮烈である。

その時しか存在しない スピードだったり 思いがあるようだ。

私は 例外なく スタートの音、作品、で その後の愛の分量が決まってしまう。(笑)

その後に 少々出来の悪いものがあっても 愛は変わらないけれど その逆はまずない。

偉そうに・・・(笑)           

 

 


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