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2012 6月 映画生活MEMO

早いもので もう今年も半分が過ぎようとしている。

3.11を経験してから 時間の流れさえも微妙に変わってしまい 頭では簡単にできそうな事も なかなか難しくなったりしている。

あまり役に立たないような時間が 安定剤のような時間になったり エネルギーになったり・・何がどう変わったと口では上手くいえないのだけど。

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サラの鍵  2010仏     監督ジル・パケ・ブランネール

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(ストーリー)1942年 ドイツ占領下のパリでユダヤ人の一斉検挙が行なわれた。突然の事・・当時十歳のサラは 素早く弟を納戸に隠し鍵をかけ 「必ず迎えに来るから・・」と約束する。しかしそれは 収容所へと送られる容易に戻る事の出来ぬ運命の始まりだった。2009年 夫の祖母から譲り受けようとしているアパートにかつて ユダヤ人家族が住んでいた事を知るアメリカ人記者 ジュリア。彼女は 45歳で待ち望んでいた子供に恵まれたものの 夫の反対にあい岐路に立たされていた。60年前のユダヤ人少女 サラの消息を追いながら彼女の人生 そのものが深く影響を受けてゆく。

weep良い映画だ!。ユダヤ人の壮絶な運命を題材にした物語は多くあるものの その悲惨さに留まらず 今 ここに存在する事への 繋がりに感謝せずにいられないような気持ちになる。 パリ、アメリカ、イタリアとそれぞれ違った人生を歩む人たちが 一本の糸に寄せられ 引き込まれ 打ちのめされ それでも受け入れ寄り添いあう姿に感動する。たくさんの印象深い画が浮かぶが ラスト 無意識に涙が零れた。

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J・エドガー       2011 米  監督 クリント・イーストウッド

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happy01FBIの初代長官を努め 賞賛と裏腹に 誰からも黒い力を恐れられた男の半生を描く。
レオとクリントのタッグというだけで期待大であったが 今回の作品は 人間描写と共に時代のエピソードを忠実に 密に取り込んでいるため 内容はハードカバーの本という感じ。
主要人物の若き頃と 老いた現在が場所をあまり変えずに行ったり来たりするので 演出も飽きさせないモノとなっている。 指紋照合の技術 DNA鑑定を基礎とした科学捜査 そして 権力者を操るための極秘ファイルなど材料も豊富である。いや・・見所はやはり エドガーと母との関係性 生涯のパートナーとの関係性 そして自分自身との葛藤と孤独なのであるが・・・ もちろん クリント作品のテーマである本当の正義とは?の問いかけはいうまでもない。

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天使の詩       1966イタリア  監督 ルイジ・コメンチーネ

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weepフィレンツェ駐在の英国領事一家・・ 妻を失った彼はその悲しみを 二人の息子のうちしっかり者の兄にだけ告げ 病弱な幼い弟には黙っている事にした。 心優しい兄は 弟の面倒を見ながら気丈に振舞っているが 悲しみは父以上のモノであった。好かれと思いする事は裏目にでて 父の愛情を渇望する彼にとって思いと反対の方へと・・もちろん 父は息子の事を愛しているものの 二人の気持ちはすれ違うばかり。 父が彼の思いに気づく頃には 取り返しのつかない結末へ。

可愛い二人の少年をみるだけで満足であるが 家族であっても・・の気持ちのすれ違いはもどかしく どこにでもあるような 時の流れである。隣にいる事が当たり前の人を だからこそ大切にしたいと思わせてくれる作品。

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ハラがコレなんで    2011邦画  監督 石井裕也

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happy01見る人の荷物をいつも 少しだけ軽くしてくれる石井ワールド全開。 今回は臨月の妊婦 光子がヒロイン。お金も住むところもなくかなりピンチの彼女のはずなのだが いたって 安定。(笑) 困った人をほってはおけぬ また粋でないことは決して出来ない 風の吹くまま 気の向くまま まるで女寅さんである。 「こうありたいよな。」と 難しい事を考えないで観たい作品。

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一枚のハガキ    2011邦画  監督 進藤兼人

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confident戦時中 その運命を上官の引く クジで決められた監督自身の経験から生涯最後として生まれた作品。新藤監督独特の 四コマ漫画のような話の流れが 重い終戦前後の話をエンターテイメントとして 観る側をすんなりと招き入れる。戦争なんて 所詮 馬鹿馬鹿しい行いだと 囁きながら その生涯 いつも戦争で亡くなった方への申し訳ない気持ちで過ごしていらしたのだと思える。

監督絶賛の 本作の大竹しのぶがちょっと・・・私には ダメでした。(汗)

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恋の罪     2011邦画      監督 園 子温

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happy01現在 容疑者の仮釈放が認められ 何かと話題の「円山町 東電OL殺人」をベースに描かれた作品。 人気作家の貞淑な妻。  大学助教授で夜は売春婦の二つの顔をもつ女。 ストーリーテラー、そして殺人事件を追ってゆく女刑事は 幸せな家庭と愛人をもちバランスをとって生きている。
立場は違えど 抑圧からの解放を手に入れる代償に 落ちてゆく女たち。
田村隆一の詩「帰途」(※言葉を覚えた事によって本質から遠ざかった事を悲しむ)や カフカの「城」(※測量士のKは城にたどり着くことが出来ない。)をモチーフに散りばめ文学的イメージも色濃い。
言葉の本質 自分自身の本質を知ろうとすることは 徒労なのか・・ 一見 無茶苦茶なヒロインたちの生真面目さが痛々しい。エロチックであるはずの性描写の連続も修行僧のようである。「冷たい熱帯魚」のような血は少ないものの 観念的な女の血が滴り落ちる作品だ。 ・・・

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パフューム   ーある人殺しの物語ー   2006独  監督トム・ ティクヴァ

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happy01類まれな才能を身に付けこの世に生まれ落ちた男。 彼は世の全ての匂いを嗅ぎ分け香水調合師として働くまでになるが 街で偶然出会った娘の 匂いに魅せられ追い求めた結果 彼女を誤って殺してしまう。 匂いを止める為に本能の赴くまま殺人を重ねてゆく彼・・
mariaさんから紹介され すぐに鑑賞。面白かった!視覚的にも匂いを感じられるような 時として ローアングルを舐めるように追い続ける画像は迫力大。 
超ストイックな男の運命は 誕生こそが罪だったと思わせるような悲しいモノだったが 人間の 不確かで危うい理性にこそ罪があると感じ 高慢になりがちな人そのものを戒める内容だった。描き難いテーマもおとぎ話の中では 毒の部分も寛大な気持ちで観れた。
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ドラゴンタトゥの女    2011 米    監督 デビット・フィンチャー

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happy01雑誌記者ミカエルは 経済ジャーナリストとして スクープを書き上げるが 罠にはまり失脚。 そんな彼に 大会社の会長が一族に 40年程前 起きた事件の真相解明をしてほしいとの依頼がくる。天才ハッカーであるリズと共に事件解決に乗り出すが・・・ さすが フィンチャー監督!猟奇殺人の謎解きミステリーをベースに 切ないラブストーリーを 絶妙なバランスで仕上げている。 明快で 何より 主役の2人のキャラクターがとても愛らしく 観終わって実にいい気分である。

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ものすごくうるさくて ありえないほど近い    2011 監督 スティーブン・ダルトリー

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happy019.11テロで大好きな父親を亡くしたオスカー。ある日クローゼットの花瓶の中から謎の 鍵を見つける。 この鍵の鍵穴を見つける事が 父からの指令と感じた彼は ニューヨーク中を走り回る。「太陽が爆発しても 地球がそれを知るのは八分後・・ パパとの八分をもしかしたら 引き伸ばす事が出来るかもしれない。」と思う彼が切ない。

「間借り人」と名乗る老人と2人で街を奔走するが この老人・・ オスカーの実の祖父。かつて妻と息子を置いて家をでた過去あり。 第二次世界大戦 ドイツでの無差別攻撃で両親を亡くし 同時に言葉も無くした。 この攻撃の加害者はアメリカである。9・11では被害者であるアメリカに多くの意味を含む人物である。 ベテラン俳優を脇に 主役の少年は演技未経験とのこと・・不安定な少年の揺れる気持ちを巧に演じている事に驚き!

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イングリッシュ ・ペイシェント   1996 米 監督 アンソニー ミンゲラ

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weep第二次世界大戦時の北アフリカ 飛行機の墜落により大火傷を負い ある男が野戦病院に担ぎ込まれる。 カナダ人看護士のハナは彼を献身的に看護する。記憶をなくした男は少しずつ記憶を取り戻すが それは過酷な過去と 人妻との恋愛の記憶だった。

自然が作り出した神秘的な砂漠を舞台に スケールの大きさが印象的な作品。戦時中の混乱時に国籍を証明する事が出来ず囚われの身となり愛する人を救う事が出来なかった男が 皮肉にも記憶をなくした状態では「英国人の患者」(原作)として扱われる。空の上から見れば国境などない砂漠で 色々な意味でのカテゴリーを越えたいと切望した男と女。アカデミー賞受賞時は・・何故か見逃してしまったので鑑賞。ラブストーリーにして重厚。

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ハッピー・ゴー・ラッキー    2008 英    監督 マイク・リー 51mn8gyxal_sl500_aa300_

 wink小学校の教師、ポピーは常に自由に自分の気持ちに忠実に生きている。笑顔を誰にでも振りまき 泣き言を言わず 幸せの意味をも 確立している。 彼女に接する人の中にはその奔放な姿に苛立ち 批判的に感じる者も・・

どこにでもいるような 平均的な女性・・前半は彼女の日常を淡々と追う。何事もないありふれた日常にも壁や摩擦はあり 心揺らされない人間はいない。ただその時どう受け入れるかなのだ。親切なガイドは少しもないけれどしあわせとは? と立ち止まり考えてしまう。

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ラビット・ホール    2010米  監督ジョン・キャメロン・ミッチェル

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weep不意の交通事故で一人息子を亡くした夫婦。互いに大切に思う気持ちがあっても悲しみの大きさに立ち尽くし寄り添う事が難しくなっている。立ち直るためにそれぞれに様々な事にチャレンジするものの それがお互いのストレスになってしまうという悪循環。妻ベッカはある日偶然目にした加害少年ジェイソンと触れ合い 彼の話すパラレルワールドに心癒されてゆく。絆があっても 人それぞれに痛みの形は違い 共有する事は無理なのかもしれない。ただ他人の痛みを体感できなくても時間の流れのように沿うことは出来るかもしれない。幸せは千差万別 痛みは唯一無二。深く大きな作品。

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ハウスメイド     2010韓   監督イム・サンス

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bearing1960年 故キム・ギヨン監督「下女」のリメイク。 大邸宅にメイドとして働く事になったウニ。無垢な彼女は懸命に奉公するが 主人フンと関係を持つ事に・・そこは悪意満ち溢れる場所と知らず・・チョン・ドヨンとイ・ジョンジェの演技派に加え 老メイド役のユン・ヨジュンは迫力。ただ率直に物語のウエイトがどこに置かれているのかが不明確で復讐劇というにはあまりにあっけない。原作製作時から 時がたち実際の世の中がより残酷になったからなのか・・唯一 まともな人間として描かれる少女は「おばさんは優しくて可哀想。」と言った。彼女の行末に傷を残す事が復讐だとすれば 一枚も二枚も少女は上手。

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何故 映画を観るのか・・ということを一口でいうなら 「どんなストーリーも自分次第。」という事に道が向かっている気がするからかもしれない。

特に傲慢にも  私は・・私は・・というような気持ちの時。


 

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コメント

今回も興味を引く作品を観ていらっしゃいますね(*^-^)
「パフューム…」は今読書中です
「ものすごく…」は今週か来週観ようと思っていますよ
「ドラゴン…」迷うのですが…面白そうですね 観ちゃおっかな(・∀・)ニヤリ
「J.エドガー」と「ラビット…」は主演があまり好みでないのですが…
興味が湧きました
「サラの…」も良い作品のようですが、今は少し明るめの作品を観たい気分なので転換したら観てみたいと思います
いつも良い作品を紹介して下さってありがとうございます^^/

投稿: Maria | 2012年7月 1日 (日) 07時25分

maria様
こちらこそ ご紹介下さる作品・・いつも楽しみにしています。
勝手に これは・・mariaさん好みかも。なんて映画のレビューやポスターで想像したり・・
「パフューム」は映像的にも 引き込まれました。確かにちょっとグロイ感もありますが 個人的には痛い所もアリ、少しだけ生臭いモノも好みです。描かれる人物にしても良い人過ぎるとちょっと引きます。(笑)
その人物なりに 皆 まっとうに正直に存在しようとしているのに 見方によってまるで違うというのが人間の面白いところですよね。
多面的・・というのが 共感にも いい訳にもなる。(笑)
「ものすごく・・」はある種 良い意味でも悪い意味でも 期待通りでした。
「ドラゴン」は謎解きですがそれ自体は明快で鑑賞後はスッキリです。
「Jエドガー」は後でもいいかも。(笑)
「ラビット」は脚本が○。ニコール・・最近、本に凝ってますよー。相変わらず声小さ・・
「サラ」は大作です。見て損はない良い作品ですが 心身ともに調子の良い時がお薦めです。

私も・・かなり重い作品が続き少々疲労しています。ポランスキーの「大人のけんか」か「宇宙人ポール」あたりを観たい気分です。(笑)

投稿: 森おばさん | 2012年7月 3日 (火) 21時13分

宇宙人ポール
今期ものではかなりオススメです。
疲れた頭が和らぐ超B級、ぜひ観て下さい♫♫

「ヘルプ」あたりも鑑後感“良”ですよぉ~~!!!

投稿: たむさん | 2012年7月 4日 (水) 22時13分

たむさん
久しぶりです! 元気そうでよかったよー!
ポールは ずっと興味があって 昨日鑑賞しました!映画好きなら 懐かしいオマージュ部分がたくさんあって和みました。
根が インドア オタク気味の私なので(笑)アメリカ人のような 英国人の2人も 好感を持ちました。ポールの容姿も丁度私たち世代なら誰もが知っているのよね。本当にほのぼのですよー。
少し休めたので 園 子音フリークの私は「ヒミズ」を鑑賞・・覚悟して観たつもりですが やはり揺さぶられたわー。
監督自体はどんどんスキルアップしてますが、茶沢役の女の子・・「ガマの油」からインパクトのある未熟さだった。下手も作品によって生かされますね。 「テロマエ・・」と「宇宙兄弟」は原作は読んでるんですよね(笑)。たむさんのレビューを参考にしてみますね。
お体に気をつけて。K年期は大丈夫そう?(笑)

投稿: 森おばさん | 2012年7月 7日 (土) 18時08分

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