« たすけの船 | トップページ | ひな祭り »

2011年 2月 映画生活 MEMO

映画って作品の大小に関係なく 心を揺らされる。それぞれに素晴らしい。
心の伸び 縮みが激しくて 色々な涙を流した。
エンターテイメント性の強いもの・・ 荒削りで魂を削ったようなもの・・ いいじゃないの。と癒されるもの・・
それぞれ 切り口は違うけれど 偶然にも「家族」という題材を描いた作品が集まった今月であった。タイトルをクリックすると 公式サイトが繋げます!

息も出来ない 監督・ヤン・イクチュン   2008 韓

Index_615400

(ストーリー)
暗い過去を背負いながら底辺の世界で生きる男 サンフン。愛を知らず汚い言葉と暴力の中で生きてきた。
行き場のない家族というしがらみの中で 明るく生きる女子高生 ヨニ。彼女もまた愛を夢みて生きている。
そんな 二人が 偶然出会い 不器用な関わりの中少しずつ新しく生きていこうとする。
しかし・・現実は過酷。 二人の行く末は・・・
Story_605340
Comment_615300

(o^-^o) ほぼ 暴力シーンのこの作品だが・・私は号泣してしまった。美しい言葉も音楽もないし 取り立てて狙った絵はないのに二人が 唯一 泣く漢江の岸辺のシーンで。
どんなに不幸な環境に生きていても 人は自分の力で生きていかなければならない。 タフでなければならないのだ。家族という 誰もが持っていて本来 安らぎを補給できる場所でありながら 同時に生生しく本心でいるために互いを傷つけあう関係にもなり得る場所。そして 暴力は悲劇を連鎖するという揺ぎ無い現実が描かれていて 最後まで嘘がひとつもない。
監督は後のインタビューで「本作は家庭に問題を抱えていた自分のために作った作品。 すべて吐き出したから
当分 映画はやらない。」と語っている。私財をつぎ込み完成に至った。その後膨大なオファーがあったようだが全て断っているらしい。これ以上を作るのは大変そう。そうでしょうよ。と納得してしまうような作品だった。
韓国映画の底力を感じる作品。

告白   中島哲也 監督   2010 日
S001

(ストーリー) 「私の娘は このクラスの生徒に殺されました。」  物語は中学校教師 森口の衝撃的告白から 始まる。 この事件を軸に 主犯加害者の少年A 加害者の少年B その母 彼らのクラスメート と 立場を変え事件の真相に迫る。推理映画とは やや異なるが 森口の復讐の物語でもあり  題材の暗さと反する小気味よさが爽快。

S002

S003

(o^-^o) 原作は 発売当初 大変 ワクワクとしながら あっという間に読み終えてしまった。 その時は芥川竜之介の「藪の中」にも似た見る角度によって物語が変わってゆく面白さを覚えた。 中島 監督作品は「下妻物語」に始まり「パコと魔法の絵本」まで その独特な色彩は癖になるようで観ていた。 まず監督独特の世界観が失われる事なく この壮絶な復讐劇が繰り広げられるので あまりに 無残な状況にあっても 爽快感も同時に感じられた。 エンターティメントなこの作品でもうひとつだけ 私の心を離さなかったのは 被害者の母である森口。母を心配する加害者下村直樹の気持ち。息子を溺愛する直樹の母。 そして 加害者の気持ちが唯一理解できた美月の母性。何より 加害者の渡辺修也の母を思う気持ち。皆が 誰かを思い慕っているという共通点である。少しズレて狂気で歪んでいるのに 初恋みたいにまっすぐで それが 善悪の基準を個人的なラインに引き込ませる。 善も悪も 表裏一体を感じさせる作品。

川の底からこんにちは石井裕也監督 2010日

Kawanosoko_large

(ストーリー) 上京五年。仕事も人間関係も 妥協し続けている佐和子。 そんな佐和子のもとに 田舎の父の入院の知らせが届く。 有無を言わさず家業のしじみ加工業を継ぐことになる。 子連れの彼 健一とともに田舎へ・・ 何もかもがうまくいかない彼女だが初めて苦境と立ち向かう決意をする。

ヽ(´▽`)/ 台詞の言い回しが独特で さぞかし 呼吸を合わせるのが大変だったろうと感心した。 「所詮 中の下の人間ですから・・ でも中の下より上の人っているんですか? みんな真中ですよ。つーか・・ちょっと下ですよ。 頑張ります。頑張んなきゃいけないんです。」 「しょうがないですよ。」が口癖の佐和子の決意表明。 登場人物の全てが 痛い感じなのに 少しも不幸せに見えない。佐和子の奮闘する姿がかわいい。 いつでもポジティブに 正しく生きていく事は難しい。 駄目だっていいじゃないかと 勇気をもらえる作品。

Sub1mo_large

リトル ミス サンシャインヴァレリー ヴァリス ジョナサン デイトン監督 2006米

51myxlnxzvl_sl500_aa300_

(ストーリー) ニューメキシコに住む一家。 主婦 シェリルは子供たちに手を焼く毎日。 その兄 フランクはゲイで自殺未遂をし シェリルの家で過ごす事に。シェリルの夫リチャードは勝ち組になる事に命をかけるような男。 長男 ドウェインはニーチェに影響され「沈黙の誓い」のため口をきかない。  リチャードの父 エドィンは ヘロイン中毒でエロ親父。そして・・娘のオリーブは ぽっちゃり体型のミスコン 荒らし。この超個性的な家族が愛する オリーブのため 800マイルの旅に出る事に・・・

326063view003

326063view013

326063view019

(o^-^o) 黄色のオンボロワゴンに乗り込む ファミリーの姿を見ただけで ほんわかと温かい気持ちになる。 一見 まとまりのない家族が それぞれの気持ちに折り合いをつけながら 一歩を踏み出してゆく姿に涙。 オリーブのために・・ 誰かのために・・と思えることが実は 一番しあわせなのでは?と思える作品。個人的にロードムービーは大好き!癖のある役を 違和感なく演じられる役者に拍手。

その他 下記の作品を観ました! 三月も たくさん 心を揺らしたいですね。

●ヤギと男と男と壁と  期待してたんですがー。

●情婦  デートリッヒの凛とした美しさが見もの

● マイ ブルーベリー ナイツ  カーワイ監督の真骨頂!

●グラン トリノ  人間を描いたら今や右に出るものはない!ヒアー アフターも期待 大。

|

« たすけの船 | トップページ | ひな祭り »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
すごーい!

映画はとても文化的な積極的現実逃避で、いいですよね。私は、たとえば「告白」は、興味があるけど怖い映画かなと思っていましたが、森おばさんの解説で、
文化的鑑賞・・・おとくいのミーハー的鑑賞ではなく・・・ができるかもしれません。たくさん紹介してくださって、本当にありがとうございます。
どれか一作でもみれればいいのだけど。

投稿: yukoeden | 2011年3月 2日 (水) 22時24分

積極的現実逃避ですか・・いい響きですね。消極的な時も多いですが・・生きててよかった。と思える事が多いです。
わたしにとっては 娯楽です。(笑)
「告白」は 日本アカデミー賞をとリました。
怖い・・といえばそうかなー・・でも視覚的なものじゃなくて心の闇の方ですね。
エピソードがひとつひとつ・・ な事は・・ないでしょ。と感じられるんですが動機が稚拙というか幼いので 劇中 松たかこ演じる 森口が「ばかばかしい。」とつぶやく時 本当に共感しました。復讐劇って  人間なら 皆スカッとするんじゃないでしょうか。 忠臣蔵とか・・仇討ち物は古くから多いですよね。
全てが 善と悪に分けられればそのままなのでしょうが・・悪にも同情してしまうところがある所に深みがあるのかな。と思います。
心優しいyukoedenさんが ご覧になってどう思われるか気になります。(笑)
私は・・あまり大きい声では言えませんが 子供の頃から ホラーや パニック物を観てわくわくしているような子だったので・・
観なきゃよかったー!と言われちゃうかもしれないんですけど。(笑)

投稿: 森おばさん | 2011年3月 3日 (木) 12時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1386686/39060071

この記事へのトラックバック一覧です: 2011年 2月 映画生活 MEMO:

« たすけの船 | トップページ | ひな祭り »